2022年1月27日
株式会社JMC(本社:東京都港区、代表取締役社長:坂本憲志)は、GIGAスクール構想で整備された児童・生徒一人1台端末(以下、GIGA端末)を整備した自治体を対象に「GIGAスクール構想に関する意識調査」を実施しました。12自治体、1,437名の先生方にご協力いただき、GIGA端末の活用頻度や課題を分析しました。
サマリー
- ● GIGA端末を「週1回以上」活用している割合は、先生方が78%、児童・生徒が68%
- ● GIGA端末の活用の課題は「研修や自己研さんの時間の不足」「準備時間がかかる/どれを活用すればよいのか分からない」「操作方法が分からない/操作がしづらい」が上位
- ● 情報セキュリティ事故の心配事は「児童・生徒による情報漏えい」が最多
- ● 今後取り組みたい授業として「協働学習」「オンライン授業」を挙げる回答が多数
- ● ICT支援員やICT活用研修による人的支援、情報セキュリティ研修などの人的対策が一層重要に
先生方の78%がGIGA端末を週1回以上活用
教科指導内でGIGA端末を「週1回以上」※1 活用している先生方の割合は78%、児童・生徒の割合は68%でした。GIGA端末の活用は進みつつあると考えられますが、教科指導内でGIGA端末を「毎日」※2 活用している先生方の割合は46%、児童・生徒の割合は26%にとどまることがわかりました。
さらなる活用促進のために、GIGA端末の効果的な活用場面を考慮した授業設計や支援体制の整備が必要だと考えられます。
- ※1「週1回以上」:「毎日(1日のうち4時間以上)」「毎日(1日のうち1~3時間程度)」「週1~3回程度」のいずれかの回答
- ※2「毎日」:「毎日(1日のうち4時間以上)」「毎日(1日のうち1~3時間程度)」のいずれかの回答
活用の課題は「準備時間」「操作方法」「人的支援」
GIGA端末の活用推進にあたっての課題は、「研修や自己研さんの時間の不足」という回答が最も多く、回答率は46%でした。次いで「準備時間がかかる/どれを活用すればよいのか分からない」が43%、「操作方法が分からない/操作がしづらい」が33%、「ICT支援員等人的サポート・体制の不足」が30%となりました。
ICT活用指導力を高めるための研修や自己研さんの時間が不足しており、多くの先生方が操作方法や活用方法に課題を感じている様子がうかがえます。準備時間を課題として挙げる先生方が多いことからも、ICT支援員などによる人的支援が強く求められていると考えられます。
児童・生徒による情報漏えいが心配事1位
情報セキュリティに関して心配なことは、「児童・生徒による情報漏えい」という回答が最も多く、回答率は78%でした。次いで「教員による情報漏えい」が58%、「外部からの不正アクセス」が42%、「ウイルス感染」が39%となりました。
外部からの脅威よりも、学校内に潜む脅威への意識が高いことがわかりました。GIGA端末の整備により、子供たち自身が情報を取り扱う機会が増えたこと、先生方が取り扱う情報の量や種類が増えたこと、従来とは異なる学校ICT環境へと変化したことを考慮した情報セキュリティ対策が必要です。「児童・生徒」「教員」による情報漏えいを未然に防ぐために、校内で情報セキュリティ研修を実施するといった「人的対策」が重要であると考えられます。
「協働学習」への高い意欲
今後取り組みたい授業について調査したところ、GIGA端末を活用した「協働学習」や「オンライン授業」への意欲を示す回答が多く寄せられました。自由記述回答の中で頻出するキーワードを分析すると、他校・交流・遠隔といった「学校の壁を越えた学習」、発表・共有・話し合いといった「発表や話し合い」「協働での意見整理」などに対する関心の高まりがうかがえる結果となりました。
▼ 自由記述回答をワードクラウド※3 で図示した結果
※3「ワードクラウド」:文章内の単語を文中の出現頻度に応じた大きさで図示する分析手法
オンライン授業に対する意欲は高い一方、「機器の選定や接続方法がわからない」といった不安を抱える先生方も多いことがわかりました。授業での使いやすさを考慮した機器の選定、導入、操作研修、授業支援など、オンライン授業の環境整備と支援体制の構築が求められています。
調査概要
- 調査対象:神奈川県内の教育委員会、公立小・中学校の先生方
- 調査期間:2021年8月10日~2021年11月30日
- 調査方法:Webアンケート調査
- 有効回答数:1,437名
(主な調査項目)
- ・GIGA端末の活用頻度
- ・GIGA端末の活用場面
- ・GIGA端末の活用の課題
- ・GIGA端末導入前との比較
- ・GIGA端末を活用したプログラミング教育
- ・GIGA端末の家庭への持ち帰り状況、課題
- ・オンライン授業の実施状況
- ・併用しているICT機器・ソフトウエア
- ・不足しているICT機器・ソフトウエア
- ・ネットワークやICT機器のトラブル
- ・情報セキュリティ事故で心配なこと
- ・先生方のスキル向上のための取り組み
- ・ICT機器の操作が苦手な児童・生徒への対応
- ・児童・生徒の情報モラル教育
- ・保護者の理解を得るための取り組み
調査結果の詳細、データの引用などについては、弊社までお問い合わせください。
関連製品・サービス
- ICT支援員
- ICTカリキュラムコーディネーター
- 協働型情報セキュリティ校内研修支援ソフト「リスク脳®トレーニング」
- ステップアップ映像配信パッケージ
参考サイト
会社概要
- ・社名:株式会社JMC
- ・本社:東京都港区浜松町1-30-5 浜松町スクエア
- ・代表取締役社長 坂本 憲志
- ・資本金:1億円
- ・ホームページ:https://www.jmc-edu.co.jp/
- ・事業内容:
- 学校教育市場における各教育機関に対する教育のIT化推進事業
- 製品・サービスの開発・販売事業
- 教育専用クラウド「and.T®(アンドティ)」の開発、販売
- 学校情報セキュリティ支援ツール「Hardlockey®(ハードロッキー)」の開発、販売
- 協働型情報セキュリティ校内研修支援ソフト「リスク脳®トレーニング」の開発、販売
お問い合わせ先
- 株式会社JMC 広報窓口
- TEL:03-5733-3001
- e-mail:pr@jmc-edu.co.jp