湯河原町立吉浜小学校、湯河原町教育委員会 (神奈川県)
- 課題
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- 授業でICTを有効活用したい
- 教職員の負担を軽減したい
- 導入製品・サービス
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- タブレット端末活用支援
- 自治体規模
- 9校以下
- プロフィール
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湯河原町立吉浜小学校
神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1300湯河原町教育委員会
神奈川県足柄下郡湯河原町中央2-2-1
- 印刷用資料
- ダウンロード(PDF:425KB)
- 取材日
- 2022年3月取材
湯河原町では2020年4月から町内全ての小・中学校に一人1台端末を導入しています。翌年からJMCの「GIGAスクールサポーター」の支援も開始し、町を挙げて運用を進めています。どのように一人1台端末を活用し、授業や子供たちの意識はどう変わったのか。湯河原町教育委員会の中嶋先生と湯河原町立吉浜小学校の時村先生にお話を伺いました。
授業の内容も、子供たちの活動も大きく変化
「本校では全学年に一人1台 ChromebookTM を導入し、毎日授業で使っています。3年生から6年生はローマ字で文字を打てますし、低学年の児童も、手書きや音声入力で、自分の意思を表現できています。全児童が、Google スライドTM や Google JamboardTM、授業支援ソフトを使って課題を提出することもできます。 加えて、Google MeetTM の操作も習得できているので、朝礼や行事なども、オンラインで参加してもらうことがあります」と吉浜小学校の時村先生は、活用状況を語ります。「文字を書くのが苦手だった子供でも、タイピングなら文字がきれいに出るので、今まで自分の文章を読んでくれなかった友達が読んでくれるようになったそうです。また不登校気味だった子供が Google Meet なら参加できるので、あまり話をしなかった級友との交流が生まれて、登校した時に声を掛け合うようになりました」と時村先生。
全校を通して、持ち帰りの運用も順調
中嶋先生は「端末の活用促進は教職員の負担を軽くするためと考えているので、先生たちが使いこなせるようになるまで町としても支援したいという思いがありました。JMCの「GIGAスクールサポーター」に、月に1回程度、来てもらっていますが、先生たちとサポーターに信頼関係が構築されて、良いシナジーが生まれています」と語ります。また、持ち帰りの運用について、時村先生は「本校の児童は2021年の6月から端末を持ち帰っていますが、持ち帰り用充電アダプターの用意がなく、当初は充電の不安がありました。しかしサポーターから電池の持続時間を教えていただき、持続時間内で終わる宿題を出すという発想に切り替えました。また、持ち帰り時の宿題についても、サポーターから具体的なアドバイスをいただいた上で、ドリルソフトを使った学習課題だけではなく、写真を撮って提出する、絵を描いてもらうなど、児童が取り組みやすい宿題を考えました」と語ります。
プロならではのアドバイスで無駄な時間を削減
特に印象に残っていることについて、時村先生は「アンケートやテストで使っていた Google フォームを使い、データを送る方法を教えてもらったことですね」と語ります。「それまでは『データは共有ドライブの〇フォルダに入れる』と指示していたのですが、子供には難しくて時間がかかっていました。JMCの方のアドバイスを元に、Google フォームで先生が課題を送るようになって、子供がデータを活用しやすくなりました。先生が、子供に端末の使い方を教えることに時間を取られて、授業時間が減ってしまうのを防ぐことができました」と時村先生。
一人ひとりがICTのスキルを磨いて、学習活動に生かす
中嶋先生は今後の目標を語ってくれました。「これまでは『触れる、慣れる』の段階だったので、ICT活用のスキルを伸ばして、今年度以降は、より深い学びへ繋げること、個別学習へ生かすことを目指しています。ICT活用スキルは目標を低・中・高と分けて、 『情報教育全体計画』として一覧表にしています。例えば、小学生なら『キーボードを使って、十分な正確さで文字入力ができる』など。これはノルマではなく『到達できるとすてきだね』という意味合いです。現在月に1回、町内4校の担当者とICT活用の情報共有を行い、足並みをそろえて町全体で活用スキルの向上へ取り組み、学習活動に活かせるようにしています」。
自転車の補助輪のように、後ろから支えてもらえる安心感
今後「GIGAスクール構想」を推進する自治体や学校に向けて、時村先生はエールを送ります。「ICTは自転車に例えると分かりやすいです。すぐに乗れる子供もいれば、そうでない子供もいます。しかし、乗ることで行動範囲が広がりますね。パソコンも使えることで、学びを深められます。皆がICTを活用できるようになるためにも、先生の困りごとを解決するためにも、JMCのサポートは必要ですね。『補助輪』のように、プロに後ろから支えてもらえるという安心感があれば、不安や困りごとも乗り越えていけます」と時村先生。
※Chromebook、Google スライド、Google ドキュメント、Google Jamboard、Google Meet は、 Google LLC の商標です。