津久井町立中野小学校 (神奈川県)
- 課題
-
- 校務でICTを有効活用したい
- セキュリティを強化したい
- 教職員の負担を軽減したい
- 導入製品・サービス
-
- Hardlockey
- 自治体規模
- 10校~29校
- プロフィール
-
神奈川県津久井町立中野小学校
〒220-0207 神奈川県津久井郡津久井町中野600番地
明治6年6月1日開校
- 印刷用資料
- ダウンロード(PDF:695KB)
- 取材日
- 2003年
中野小学校は2001年、津久井町の積極的な支援により、ミレニアムプロジェクトに向けて大規模校LANが整備されました。導入と同時に情報教育3カ年プロジェクトがスタート。さらに2002年より上月情報教育財団の研究助成を受け、積極的な情報教育研究が進められています。
情報教育を進めていく中で問題となるのが「情報セキュリティ」。このセキュリティについての研究にも挑戦したいという、先生方の強い要望により、Hard Lockが導入されました。
全教職員の「絶対に弱音を吐かない」との結束で育て上げているセキュリティと情報教育は現在も進化を続けています。
パソコン初心者が挑戦するからこそ意味がある
「情報教育機器が整備される前までは、たった6台のパソコンしか学校にありませんでした。今では約120台のパソコンが稼働していますが、プロジェクト発足当初はみんながパソコン初心者でした」と、話す中村先生。
「パソコンを知らない私たちが、このネットワークを作り上げていくからこそ、次につなげられるのではないかと考えました」。最初は、導入する業者の姿を見てパソコンの設定を学んだり、修理に来る業者が直す姿を後ろで眺めて研究したりと、非常に苦労をされたそうです。しかし、今では各先生方がパソコンの使い方を理解し授業などで活用しています。
「各先生により得意な分野が違うので、夏休みなどに勉強会などを開いてパソコン活用のための情報交換をしています」と、積極的にパソコンを利用している姿がうかがえます。
LANは便利。しかし、セキュリティの面は?
同校では児童が自由にパソコンを使用できる「PC ZOO」、静かに学習するための「PC STATION」など、テーマを決めてPC教室を開放している。 「パソコンを自由に使えるように解放しているので、セキュリティ面を不安に感じる時もありましたが、意識としてはまだまだ低いものでした」と、中村先生。 Hard Lock導入前は、IDとパスワードを利用し、先生と児童がアクセスできる領域を分けていたそうです。先生が使用している領域を児童に見られたことはなかったようですが、セキュリティに不安はあったようです。
そんなとき、校内のパソコンがウィルスに感染。幸いデータは無事でしたが、復旧に多くの時間が費やされました。この出来事をきっかけに先生方のセキュリティに対する認識が変化、「セキュリティは大切だ!」という意識が高まったそうです。
ジェイエムシーと二人三脚で理想のセキュリティを実現
神奈川県は、個人情報保護条例の厳守を通達するとともに、新たに人事評価システムを導入しました。「これにより個人情報の保護だけでなく、校務関係の重要なデータと一般データを同列に扱って守秘義務を堅持することができるのか、という大きな問題に直面しました。そこでジェイエムシーに相談した次第です」。
理想の情報セキュリティは、ジェイエムシー単独での実現は難しいと考え、学校さんといちがんになって構築することが肝要、と中村先生に提案しました。そして、中野小学校でのセキュリティ構築がスタートしたのです。
ジェイエムシーはセキュリティに対する要望をお聞きし、Hard Lockを提案しましたが、当時Hard Lockはテスト段階で、完全な商品化がされていませんでした。そのことをご理解頂き、テスト導入に踏み切りました。「導入当初は、頻繁にメールでやりとりを行い、システムの調子が悪い時には足を運んでいただきました」。そして、2003年4月より本稼働が開始されたのです。
3つのレベルに分けたセキュリティ管理
ジェイエムシーのコンサルティングの結果、利便性を維持しながらセキュリティの向上を図るために、ネットワークを以下の3つの領域に分けることとしました。
レベル1【児童も自由に使用でき、インターネットに接続ができる領域】
先生・児童が自由に接続でき、USBキーが無くても接続できる領域です。インターネットにも接続できます。授業など、通常パソコンを使用する場合に使う領域です。
レベル2【教員のみが自由に共有できる領域】
基本的に、教員が自由にデータを保存・共有できる領域です。接続するためには、各先生に配られているUSBキーが必要となります。インターネットには接続できない環境のため、外部侵入を防ぐことができます。
レベル3【管理職学校運営領】
学校事務に関係するデータなど、重要なデータを保存する領域です。この領域にアクセスする為には、金庫で保管されているUSBキーが必要となります。このUSBキーを使用する場合は、学校長の許可が必要です。もちろんインターネットにも接続はできません。
「レベル2以降の領域はインターネットにも接続されていないので、Hard Lockの設定がされているパソコンにUSBキーを差さなければ入ることができません。部外者がアクセスすることは不可能です。データ流失のリスクが低くなったので、セキュリティに気を取られることなく、自由度が高くかつ安全なパソコン運用が可能となりました」。
理想の情報セキュリティ対策に実現にむけて
「情報セキュリティの構築、維持が重要であることは言うまでもありません。しかし、いきなり上から押しつけても実感が伴わないため、その重要性が認識されにくいのが実情です。」まずは、インターネットやLANの便利さを教職員全員で知り、その利便性の裏側には危険が潜むことを理解し、一人ひとりがセキュリティの大切さを認識することが重要。そして、同校では、先生方のセキュリティに対する意識改革に成功され、情報セキュリティを教職員全員で作り上げられています。
「教職員全員で、“無理だ、できないなんて弱音を吐かず、みんなで一致団結してがんばろう”と誓い合いました。苦労はしていますが、確実に理想に一歩一歩近づいていますよ。」
かつてはほとんどの教職員がパソコン初心者であった同校。児童へのよりよい情報教育のためはもちろん、校務の安全な効率化のために先生方が一致団結した結果、ジェイエムシーとの二人三脚で情報セキュリティの構築が成功しつつあります。その現場でHard Lockの利便性を損なわない安全性が活きています。