拓殖大学北海道短期大学 (北海道)
- 課題
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- 授業でICTを有効活用したい
- 校務でICTを有効活用したい
- セキュリティを強化したい
- 導入製品・サービス
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- Hardlockey
- 自治体規模
- その他
- プロフィール
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拓殖大学北海道短期大学
〒074-8585 北海道深川市メム4558
1966年2月開校
http://www.takushoku-hc.ac.jp/
- 印刷用資料
- ダウンロード(PDF:101KB)
- 取材日
- 2006年
早くから校内にLAN環境を設置し、インターネットを通じたeラーニングシステムの導入や、ネットワークベンダー系の資格取得カリキュラムまでを実現してきた拓殖大学北海道短期大学。拓殖大学文京キャンパスと連携しての遠隔講義や、共同カリキュラムなど、ネットワークを駆使した新たな計画も進んでいます。
しかし、そこで問題になってきたのがネットワークセキュリティへの対策です。学生が学内で自由にインターネットを活用するための無線LANの導入により、教務情報などの重要情報が危険にさらされる可能性も否定できませんでした。そこで採用したのがHardlockeyでした。同校のネットワークセキュリティへの取り組みと成果について伺ってみました。
最先端のIT教育を支えるためのセキュリティシステムの導入
拓殖大学北海道短期大学は、拓殖大学の系列短期大学として北海道深川市に経営経済科、環境農学科、保育科の三学科を設置しています。今から約9年前に学習用のパソコンを導入し、校内にLANを敷設して開発言語やアプリケーションの使用方法を教えるなど、IT教育にも力を注いできました。インターネットを通じて講義の予習復習ができるeラーニングシステムを導入したり、在学中にシスコシステムズ社のネットワークエンジニア資格「CCNA」の取得が可能なカリキュラムを用意したりなど、社会に出て即戦力となりうるIT知識を持った人材を育成しているのも大きな特徴のひとつです。
「拓殖大学北海道短期大学は環境農学関連の科目を実地で学べる環境や、豊かな自然に恵まれている反面、情報の部分では都心の大学に立ち遅れてしまう可能性も持っていました。しかし、インターネットが普及してからは、どこにいても最新の情報を収集することができます。北海道という場所にあるからこそ、IT環境の整備には力を注いできました。」そうおっしゃるのは小滝聰副学長。
拓殖大学北海道短期大学では経営経済科の学生の多くが短大課程修了後に東京文京区の本校に編入したり、両キャンパスが共同しての講義が計画されるなど、東京・北海道間の交流が非常に盛んに行われています。そうした教育環境のあり方を支えるためにも、より使いやすく安全なネットワークシステムの導入が必要とされていました。
学習のための無線LAN環境の導入とセキュリティの両立
拓殖大学北海道短期大学の情報システムの再構築が開始されたのは2006年4月のこと。これまでメールなどを使って教員に伝えられていた教務情報をグループウェアに一本化することに加え、学内どこにいてもインターネットに接続することができる無線LANの導入が大きなポイントでした。
「本学の学生のパソコン所有率は60%近くになっていますが、自宅のインターネット接続環境までがそれほど整備されているとは言えません。そのため大学がeラーニングのシステムなどを用意しても、学生は通信速度や接続料金の面で積極的に自宅利用できないのが現状でした。そこで、学内にいれば自由にインターネットが活用できる環境を整備することにしました。」(ネットワーク管理運営委員会 委員長 杉本雅彦助教授)
しかし、無線LANの採用は、システムの導入に当たったSI会社も危惧したほどセキュリティ管理が難しいものであり、そんな中「これを使えば安全性を確保できます」と推薦されたのがHardlockeyでした。
「実際に構築したシステムでは、一般用と教務用にVLANを切り分け、USBキーの使用時とそれ以外では端末が接続できるIPアドレスそのものを変えています。そのため学生が教務情報に接近することがないのはもちろん、部外者の侵入もシャットアウトすることが可能になりました。」(杉本助教授)
また、システムの導入にあたっても、Hardlockey を使用してSI会社との間に厳密な情報の取り扱いルールを取り決め、安全性を確保しました。ここ数年、教育現場からの個人情報流出が相次いでおり、導入業者を経由した漏えいも少なくなかったためです。教育現場のIT化に際しては、導入時の安全対策も大きなポイントになっていくはずです。
意識せずに安全性の保てるHardlockeyの優位性
「認証システムの採用に当たっては、チャレンジキーを使ってWeb上から制御するなどの方式も検討しました。しかし、パスワードを忘れてしまい、大切なデータが取り出せなくなるという危険性も無視できませんでした。その点、Hardlockeyであれば、「自分でセキュリティのON、OFFが実感できる」USBキーを使うので単純になります。セキュリティシステムは、使用者が意識せずに安全性を高められることが一番重要だと考えています。」(小滝副学長)
拓殖大学北海道短期大学に導入されたシステムには、USBキーの使用時には、学科ごとに用意されたフォルダにドキュメントを保存するだけで自動的にデータが暗号化される、という仕組も採用されています。これならデータの保存時に暗号化のプロトコルを選択したり、解除の方法を思い出したり、特別な操作をする必要もありません。ユーザーは暗号化されている、という意識もほとんど持たないまま、安全にデータを取り扱うことができます。
また、以前は研究室の情報コンセント経由でしかアクセスできなかった情報も、USBキーを使うことで学内のどこからでも閲覧できるようになりました。そのため、講義の途中で必要な重要データを見るために、わざわざ研究室まで立ち戻る、という手間もなくなりました。USBキーを通じて情報セキュリティ対策を理解・実行してもらうことにより、教員の情報セキュリティへの意識も高まってきている、と小滝副学長は言います。
安全なネットワークをもとにしたIT教育の充実
「学内全域の無線LANが実現したことにより、講義の合間にホールや食堂でノートパソコンを開く学生の姿を数多く目にするようになりました。eラーニングなどの学習効果も上がっています。学生からの反応も、便利になった、と大変好評です。」(山田親稔専任講師)
拓殖大学北海道短期大学では、今後、編入を目指す学生が学習効果を上げて進学できるよう、インターネットを通じた文京キャンパスの教員による遠隔講義を計画しています。また、環境農学科では、文京キャンパスで座学の講義を受けた後、北海道短期大学で実地の体験を積むといった両キャンパスのコラボレーションによるカリキュラムの検討も始まっています。こうしたITを駆使した最先端の教育環境を支えるためにも、今回のシステムの再構築や、Hardlockeyを使用したセキュリティ対策は、必要不可欠なものでした。
「文京キャンパスとの連携を高めることも重要ですが、拓殖大学北海道短期大学は深川市という地域とともに歩んで行くべき教育機関でもあります。近隣の住民の方々に私たちの取り組みを知っていただき、公開講座などを通じて生涯学習についても興味を持ってほしいと考えています。そのためにも、一般の方々に学内を安心して公開することのできる情報セキュリティ対策は非常に重要なことになります。」(小滝副学長)
Hardolockeyの採用により、利便性と安全性を両立した学内ネットワークの構築に成功した拓殖大学北海道短期大学は、今後はこのシステムをインフラとして十分に活用し、より一層のIT教育の充実に力を注いでいきたいと考えられています。