品川区教育委員会 (東京都)

課題
  • 校務でICTを有効活用したい
  • セキュリティを強化したい
  • 教職員の負担を軽減したい
導入製品・サービス
    • Hardlockey
自治体規模
50校~99校
プロフィール

品川区教育委員会
〒140-8715 東京都品川区広町2-1-36
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/

印刷用資料
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取材日
2006年

「互いの人間性と人権を尊重し、思いやりの心と規範意識をもって、進んで地域社会に貢献できる人間の育成」「自ら学び実践することができる、個性と豊かな教養をそなえた人間の育成」。また、学校教育と社会教育とが一体となり、生涯を通じて主体的に学ぶことができる、品川区の地域性に合った生涯学習社会の実現を図る。

そして、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割と責任を果たし、個性豊かでうるおいある教育を推進する」を目標に掲げ、全国でも類を見ない先取的な取り組みを数多く実践する、品川区教育委員会。21世紀の新しい学校づくりを目指して策定された「プラン21」のもと、学校選択制や小中一貫教育、外部評価者制度の導入、学力定着度調査の実施など、独自の施策を次々に実践し、全国から注目を集めています。

そんな品川区教育委員会が、どんな思惑でHardlockeyの導入を決め、実際の教育現場で活用しているのか――今回の導入事例でご紹介いたします。

教員向けPCを1人1台体制に整えセキュリティ対策も施す

品川区教育委員会の小中一貫教育担当の柏木氏。
▲ 品川区教育委員会の小中一貫教育担当の柏木氏。
  子ども達の将来を自由と積極さを持って見つめる
  柔軟な考えの持ち主。

「積極的に教育現場のIT化に着手した2000年頃から『同時にセキュリティ対策も並行して進めなければならない』という危機感を抱いていました。現場では対策を練った構想もありました。しかし、具体的にどういう手段で臨めばいいのかわからず、暗中模索の状態が続いていました。ちょうど教員向けのPC環境を整備するプランが動き出し始めた頃、偶然Hardlockeyの存在を知り『これしかない!』と感じて上申しました」と、開口一番、Hardlockey導入の経緯を話してくれた、品川区教育委員会事務局の指導課 小中一貫教育担当の柏木氏。

品川区教育委員会は、教育現場のIT導入・整備・活用に積極的で、2000年の段階ですでに区内の小中学校58校すべてにパソコン教室と校内LAN、学校事務システムを設置。その中にIT推進校を数校設け、教材開発なども現場で促進するなど、いち早くIT化を進めていました。その中にあって、教員用のPCだけが未整備で現場に委ねたままだったことから、2004年度より環境整備の計画立案を開始。学校業務システムの構築に向けた環境整備の一環として、教員1人に1台のPCを配付する計画を2005年に策定し、同年10月に配付を完了させました。その際、配付PCにHardlockeyを同梱したのです。

「実際、導入決定に至るまでに、担当営業に何度もデモを実施してもらって、機能の説明とセキュリティ向上につながるメリットをレクチャーしてもらいました。それで“学校向けに開発され使い方が簡単なセキュリティシステム”と認識できたのです」(柏木氏)。


PCリテラシーに関係なくセキュリティ強化を果たせるHardlockeyに脱帽

品川区の小中の学校に配布されたPCすべてにHardlockeyが実装された。使いやすさ、わかりやすさがもっとも評価されたポイントだった。
▲ 品川区の小中の学校に配布されたPCすべてに
  Hardlockeyが実装された。使いやすさ、わかりやすさが
  もっとも評価されたポイントだった。

教員全員にPCを配付する際、品川区教育委員会が腐心したのは、個人情報の取り扱いをはじめとするセキュリティの確保だったそうです。「PC環境が未整備だった頃は、授業をはじめ教員自身のさまざまな業務にパソコンを使うことに対し、積極的に活用する層と『なぜ使わなければならないのか』と懐疑的な層とに分かれました。裏を返すと、パソコンを使える教員とうまく使えない教員の二極化が教育現場で進んでいたわけです。個人情報保護法の完全施行を例に挙げるまでもなく、データの取り扱いやセキュリティ全般への関心が社会全体で高まっています。そんなご時世に、パソコンが必要・不必要でもないでしょう。まずは、教員全員が当たり前の道具としてPCを使いこなせるようにしなければ。その際、個々のリテラシーの差を乗り越えてセキュリティを確保するために、Hardlockeyは最適なツールとして機能してくれました」(柏木氏)。  

品川区教育委員会が着目したHardlockeyの特長は、●自動ネットワーク切り替え●ファイル・フォルダ自動暗号化機能●ファイルアクセスログの強化●ファイルアクセス制御機能●プリンタ出力制御機能●USBフラッシュメモリーとしてデータ保存・移動が可能など。いずれも利用者の利便性の向上と同時にセキュリティ強化を果たす、Hardlockey独自の機能です。「自動暗号化で情報に堅牢なセキュリティがかかりますから、PCに明るくない教員にも違和感なく使ってもらえます。また、万が一、Hardlockeyを紛失したり、盗難に遭ったとしても校内の大切な情報は守られる。理屈抜きに“PCに差し込むだけ”で単純明快に使えるのが一番ですね」(柏木氏)。


個人情報をPCで取り扱う機会の多い教育現場に最適なツール

品川区が進めている小中一貫校プロジェクトの様子。義務教育期間を包括的に受け持つ、ホリスティックエデュケーションの実践を着々と進めている。
▲ 品川区が進めている小中一貫校プロジェクトの様子。
  義務教育期間を包括的に受け持つ、ホリスティック
  エデュケーションの実践を着々と進めている。

Hardlockeyを同梱したPCの完全導入から1年が経ち、教育現場では実際にどのような効果が上がったのでしょうか。「学校間で環境の差がなくなったことから、各現場では積極的にPC活用に挑んでもらえるようになりました。実際にPCを業務で使っている教員の割合も100%に近くになりましたからね。でも、もしかしたらセキュリティも強化されている、という意識はそこまでないかもしれません。それだけHardlockeyが利用者に意識させずに使えるツールだからでしょう」(柏木氏)。

実際、柏木氏をはじめとする品川区教育委員会のスタッフが、システムのメンテナンスやPCの不備といった学校側からの要望で現場に足を運んだ際、授業に出ている教員がHardlockeyを抜いていくために作業ができず、職員室で待ちぼうけをくわされるシーンも結構あるそう。「どの先生方も席を外すときはHardlockeyを抜いて徹底してセキュリティしてくださってるんです。なのでメンテナンス要請で私たちが学校に行っても、それが授業中だと、授業終了まで目の前のPCを横目に所在なく待ちぼうけ…(笑)。仕方がないことですが、これだけセキュリティ運用ルールを守ってもらえるとは、正直驚きました」(柏木氏)。

今後、品川区教育委員会では、「教員たちの本来の業務、児童・生徒への教育指導に、少しでも時間を割いてもらえるよう、その他の業務の効率化を果たしてサポートしていきたい」(柏木氏)という考えから、教員の勤怠システムや学校業務システムの構築に着手していく計画があるそうです。そこでも「Hardlockeyは有効なセキュリティ強化ツールとして機能させていきたい」(柏木氏)とのこと。加えて、以前から積極的に着手している小中一貫教育のボトムアップの面でも「小学校と中学校の間で、児童の情報を共有する際にも活用できるはず。個人情報をPCで取り扱う機会の多い教育現場には最適なツールですからね」(柏木氏)と、今後への意気込みも語ってくださいました。