相模原市立中野中学校 (神奈川県)

課題
  • 授業でICTを有効活用したい
  • 校務でICTを有効活用したい
  • 教職員の負担を軽減したい
導入製品・サービス
    • ICT支援員
    • ICTカリキュラムコーディネーター
    • タブレット端末活用支援
自治体規模
100校以上
プロフィール

相模原市立中野中学校
神奈川県相模原市緑区中野960番地
http://www.sagamihara-nakano-j.ed.jp/

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取材日
2021年11月取材

相模原市立中野中学校では、GIGAスクール構想で導入した生徒一人1台の端末を、授業内外を問わず日常的に活用しています。また、JMCのICTカリキュラムコーディネーターが月2回訪問し、サポートしています。端末の導入効果やICTカリキュラムコーディネーターによるサポートのメリットについて、同校の清水俊次校長と、総括教諭の梅野哲先生にお話を伺いました。

ICT化による先生の変化

▲相模原市立中野中学校校長 清水 俊次 先生(右)
▲相模原市立中野中学校総括教諭 梅野 哲 先生(左)

「本校では、アンケート集計やキャリア・パスポート作成、生徒総会や合唱曲決めの投票、リモートの授業参観、修学旅行の生中継、委員会活動など、さまざまな場面でChromebookTM を活用しています。生徒たちの意見収集や教科横断の授業を気軽にできるようになり、授業の幅や質、自由度が高まりました」と清水校長は語ります。

しかし、最初からスムーズに活用できたわけではありません。「初めは、先生たちのICT活用に対する理解をいかに深めるかが課題でした」(梅野先生)。そこで取り掛かったのが校務の効率化です。「三者面談の日程調整などを Google フォームで行い、今まで3~4時間かかっていた業務が30分程度で済むようになりました。また、授業やテストも一部オンラインで行えるようになったので、印刷用紙の購入費用が余るほど、ペーパーレス化を進められました」(梅野先生)。

「ICT活用は英語の習得に似ています」と梅野先生は語ります。「英語の必要性はわかっていても使わなければ上達しないように、ICTも活用しなければ使いこなせるようになりません。本校では、校務の効率化によってICT活用のメリットや必要性を職員全員が実感し、自ら使ってみようとする意欲を高めることができたのです」。


自由に端末を使いこなす生徒たち

先生たちのICT活用に対する意欲が高まったことで、生徒たちも幅広い活動で自由に端末を活用するようになりました。「生徒たちの自由な活用のためにモラル教育を徹底しました。使用ルールを配布して授業で指導し、問題があった際には使わせないようにするのではなく都度注意するなど、繰り返し指導することでトラブルなく活用できています」(梅野先生)。

端末の活用が定着すると、生徒たちの発言や意見交換が活発になったそうです。「人前での発言が苦手な生徒は、自分の端末からならプレッシャーなく意見を書き込むことができます。文章を書くことが苦手な生徒も、打つことに対しては抵抗が少ないようです。タイピングもゲーム感覚であっという間に上達し、教員よりも早く打てる生徒がたくさんいます」(梅野先生)。


状況にあわせた現場目線のサポート

JMCのICTカリキュラムコーディネーターとの関わりは、端末導入後から本格的にスタートしました。「最初は何がわからないのかがわからない状態だったので、ネット特有の単語の説明など初歩的な支援を受けながら、校務や授業中の生徒たちへのサポートをお願いしました。今では月2回の訪問日を有効活用するために、当日解決したい課題を事前にまとめて共有するようにしています。

さらに、授業に加えて委員会活動や小中連携会議にも参加してもらい、その場で必要なアドバイスやサポートもしてもらっています。進捗や状況を把握し、常に現場目線でサポートしてくれるICTカリキュラムコーディネーターは、先生にとっては頼れる仲間、生徒にとっては頼れる先生のような存在です」(梅野先生)。


先生とICTが一緒にアップデートしていける環境

端末の導入は完了しても、活用となるとまだまだという学校は少なくありません。中野中学校のように効果的に活用するには、何が大切なのでしょうか。「最初はトップダウンで大きなかじ取りを行い、少しずつ各学校に合わせたやり方で経験を積み重ねていくことが重要です。ICT化のメリットが実感できるようになれば、自然と現場の先生同士が意見交換し、さらなる活用に向けてボトムアップできるようになります」(清水校長)。

梅野先生は「ICTカリキュラムコーディネーターが定期的に訪問してくれることが安心感につながっています」と語ります。「Google の仕様がいつの間にか変わり、どんどんアップデートする環境に戸惑うことがありますが、プロにいつでも相談できるのはとても心強いです。最低限のルールを構築して、パソコンと一緒にアップデートしていける環境はとても大事。ICTカリキュラムコーディネーターに頼り切るのではなく、共に歩む。学校に自然に溶け込んでくれるJMCさんだからこそ、それが可能になっているのだと思います。ICT活用をスムーズに進めるためには、支援する側とされる側の連携がとても重要なんです」(梅野先生)。


ICT化のメリットは無限大

「本校はこれまでも、学ぶ楽しさを大切にし、生徒一人ひとりの自己肯定感の向上に取り組んできました。ICTの活用によって、そうした目標が着実に進んでいることを実感しています」と清水校長は語ります。「まずは先生方が幅広い活用をしてみることが重要です。その結果、先生たちの作業の効率化や、ペーパーレス化によるコスト削減で費用の活用も幅が広がり、最終的に働き方改革の実現や生徒と向き合う時間の創出など、生徒のためになっていることを実感しています。今後はICTを活用して、キャリア教育を推進しようと思っています。ICT化のメリットはさまざまな面でつながり、循環しています。現場からの声やJMCさんのアドバイスをもとに、さらなる効果的な活用方法を模索していきたいですね」(清水校長)。

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