東京学芸大学附属小金井小学校 (東京都)
- 課題
-
- 授業でICTを有効活用したい
- プログラミング教育を推進したい
- 導入製品・サービス
-
- プログラミング教育支援
- ICT支援員
- 自治体規模
- その他
- プロフィール
-
東京学芸大学附属小金井小学校
東京都小金井市貫井北町4-1-1
- 印刷用資料
- ダウンロード(PDF:428KB)
- 取材日
- 2018年3月取材
東京学芸大学附属小金井小学校は、教科横断的な視点でプログラミング教育の取り組みを進めています。
2018年2月には、4年生の総合的な学習の時間で「Sphero SPRK+(スフィロ スパークプラス)」を使った授業を行いました。このSPRK+は球体のロボットで、速度や時間、角度を専用アプリで指定すると、転がったり方向転換したりしながら移動します。子供たちは4、5人のグループに分かれ、指定したとおりにSPRK+が動くことを実感しながらプログラミングを体験しました。
教科・領域横断的な指導を意識
SPRK+を思い通りに動かすには「前へ2秒進む」「右へ90度曲がる」といった動作を順序立てて命令する必要があります。子供たちは、まずSPRK+をどのように動かしたいのか、ワークシート(右図)に記入しました。これには、他教科で学習した「自分の考えを端的に表現する力(国語)」「関数的な相関性を考える力(算数)」を発揮させるねらいがあったといいます。子供たちは自分の考えを整理してから専用アプリでプログラムを作成、実行し、自作のコースを走るSPRK+を観察しました。
試行錯誤で論理的思考力を身に付ける
先生は、子供たちが作成したプログラムと実行結果を毎回紙に記録するよう指導しました。これには「観察結果をデータとして記録する力(理科)」を発揮させるねらいがあったといいます。SPRK+が実際どのように動いたのか、子供たちは結果を振り返りながらプログラムの修正を繰り返しました。「プログラムを作って、失敗しての繰り返しでしたが、ぜんぜん飽きませんでした」(授業後の子供の感想)。子供たちは、ゲーム感覚で徐々に論理的思考力を身に付けていったといいます。
プログラミングにのめり込む子供たち
小金井小学校では、プログラミング教育の推進役の先生とICT支援員が重要な役割を果たしたといいます。
関田副校長「学習指導要領の改訂を前に、『やらなければならない』という意識はありました。それには、ICTの魅力を発信できる人材が必要です。本校では、鈴木先生が先導し、ICT支援員の西尾さん(JMC)がサポートしてくれました。以前からタブレット端末の活用を進めてきましたが、プログラミングを取り入れたことで、子供たちは新たな体験をするようになりました。気が付いたら、授業にのめり込んでいるのです。ICT活用の広がり、質的な変化を感じています」。
6年間のカリキュラム全体で考える
鈴木先生「プログラミングをやろうと思っても、すぐにはできません。前段階としてタブレット端末の操作に慣れさせるなど、情報活用能力を教科横断的に身に付けさせていく『積み上げ』がなければ難しいと思います。また、プログラミング的思考は、さまざまな授業でも日常生活でも出てくる考え方です。子供たちの経験や体験と結び付けることが重要だと考えています」。
ICT支援員が授業をサポート
佐々木先生「実際にやってみようとなってからは不安もありましたが、事前にJMCさんが授業案や教材マニュアルを準備してくださったので助かりました」。
根本先生「JMCさんには技術的な支援やトラブル対応、準備、授業支援をしていただきました」。
三井先生「授業では、やはりサポートをしてくれる人がいてほしいですね。そうすることで、教員は指導面に集中することができます」。
佐々木先生「授業中は子供たちから『やったー!』『先生、できたー!』という歓声が上がりました」。
三井先生「子供たちは、自分の思い通りに動かせたという自信や達成感を感じていたと思います」。
根本先生「遊びで終わらせない工夫が必要ですね。子供たちに、どんな力を身に付けさせたいかを考えながら授業をイメージするのが重要だと思います」。